中越市民防災安全大学(防災リーダー育成)
【長岡市負担金交付事業】
中越地震の教訓を伝え、地域防災リーダーを育成するため、2006年から「中越市民防災安全大学」を開講しています。卒業生には防災士の受験資格も付与され、希望者は最終日に防災士試験を受けることができます。
17期目となる今期は、新型コロナウイルス感染症への対策を施した上、延べ5日間って開講しました。57名の受講申込があり、受講者全員が課程を修了し、新たに中越市民防災安全士に加わりました。女性が約3割を占めており、世代別でみると60代が3分の1を占めていますが、30代、40代、50代の方も比較的多く、幅広い世代から受講いただいています。
第1期からこれまでの修了者は延べ837名。最終日に実施した防災士資格取得試験には48名が受験し、48名が合格となり、防災士資格を取得しました。
新潟県立新潟県央工業高校(都市防災コース)防災研修講座
【自主事業(地域貢献)】
新潟県立新潟県央工業高校において、令和3年度に続き、新潟県建設業協会三条支部の協力のもと、地域の次世代を担う学生への防災意識の醸成と防災士資格取得を目的に防災研修講座を実施しました。
都市防災コースの生徒15名を対象とし、延べ9回の学校内での講座と12月に開催した防災士養成講座(新潟会場)への参加によりカリキュラムを構成するとともに、当機構職員のほかに長岡技術科学大学の松田准教授、新潟地方気象台、三条市防災担当部局、市内防災関連企業など様々な分野の方々が講師を務め、12月の防災士試験では14名が防災士資格取得試験に合格しました。県央工業高校からの強い要望もあるため、今後も継続して実施する予定です。
地域防災まちづくりフォローアップ事業
【新潟県委託事業】
本事業は、県内市町村が抱える自主防災組織活動等に関する課題の解決や事業のフォローアップ等を行うことにより、地域防災力の向上を図ることを目的に実施したものです。
アドバイザー派遣事業としては、妙高市、村上市、関川村の3市村の取組をサポートしました。テーマ別意見交換会としては、市町村職員を対象に、分散避難を見据えた車中泊避難と令和4年8月豪雨災害の振り返りの2つのテーマで開催しました。また、車中泊避難を行う際の注意事項と安全対策を県民に啓発するため、車中泊避難リーフレットを制作しました(1万部発行)。
にいがた防災シニアリーダー育成事業
【新潟県委託事業】
本事業は、地域の防災活動における現状と課題を正しく理解し、指導・助言ができる人材の育成を図ることを目的に、「にいがた防災シニアリーダー(以下、シニアリーダー)養成講座」を企画・運営するとともに、シニアリーダーが各市町村で継続的に活動するためのサポートを行ったものです。
養成講座は上越会場8月27日(21名)、新潟会場9月10日(38名)、長岡会場9月17日(29名)の3会場で開催し、受講生は「講師としての心構えや姿勢、スキル」「地震から身を守るための専門知識」などを学びました。また、シニアリーダーを対象としたキャリアアップ講座(座学)を開催するとともに、シニアリーダー交流会を2回開催しました。
企業・学校連携 防災啓発セミナー
【新潟県委託事業】
本事業は、若い世代や学生の防災意識の向上を図るため、県内の企業・学校と連携した「防災啓発セミナー」を実施したものです。(当機構職員の講師派遣)。令和4年度は、新潟法律大学校、新潟公務員法律専門学校、JAPANサッカーカレッジ、佐渡保育専門学校、長岡崇徳福祉専門学校にて合計9回実施し、災害時のリスクと対策の紹介、災害対応の実例等を踏まえた講義、ゲーム形式で備えるべき防災グッズを考えるグループワークなどを行いました。
防災産業クラスター形成事業
【新潟県委託事業】
本事業は、新潟県内企業、大学、防災関連機関等による防災産業のクラスターを形成することを目的として実施したものです。事業3年目にあたる令和4年度は、防災産業クラスター形成に向けて、新たな災害食の備え方検討会/家庭備蓄・ローリングストック普及キャンペーンの実施、災害時の物流の改善を考える検討会の運営、屋外防災イベント検討会及び全体フォーラムの開催などを行いました。また、首都圏で開催された危機管理産業展(RISCON TOKYO)、震災対策技術展、インターナショナルギフトショーに出展し、新潟県産の防災関連商品をPRするとともに、今後の販路となる顧客リストの獲得等を行いました。
豪雪地帯安全確保緊急対策交付金に関する事業
【長岡市・上越市・十日町市委託】
令和3年12月、国では豪雪地帯において除排雪時の死傷事故が多発していることを踏まえ、民地の除排雪作業時等の死傷事故の防止のために、「豪雪地帯安全確保緊急対策交付金」を創設しました。補助対象事業として「地域安全克雪方針策定事業(補助率10/10)」と「安全克雪事業(補助率1/2)」があり、事業実施主体は豪雪地帯をその区域に含む市町村及び道府県です。
令和4年度は新潟県内で複数の市町村が地域安全克雪方針策定事業に取り組むこととなり、長岡市、上越市、十日町市の3市から、地域安全克雪方針策定にかかる業務の委託を受けました。関連データを収集・分析するとともに、有識者会議、地域懇談会、ヒアリング等を実施し、各市町村の地域安全克雪方針(案)を作成しました。
地域防災活動支援事業
【長岡市委託事業】
本事業は、水害時に地域の浸水深の情報を基に適切な避難行動を取ってもらうことを目的として、長岡市下々条地域を対象に、「長岡市洪水ハザードマップ(令和2年6月改訂)」に基づく浸水深を表示した標識を設置したものです。
住民の意見を反映するため、ワークショップを実施し、その結果に基づいて標識のデザインや設置場所を決めました。年度内には、浸水深が表示された標識が地域の電信柱など、いたるところに設置されました。今後は地域の防災訓練や避難訓練で活用していく予定です。
避難所運営体制連絡会(検討会)企画運営委託業務
【新潟市委託事業】
本業務は、新潟市が目指す避難所業務の全体方針のもと、三者が顔を合わせる検討会を開催し、平時からの協力体制構築(避難所運営委員会の設立)を図るとともに、各避難所現地においてより実践的な検討を行うことを目的に講習会を実施したものです。
新潟市8区にて計20回、避難所運営体制連絡会(講習会)を開催し、合計で2,122名が参加しました。
「防災出前講座」業務
【新潟市東区委託事業】
本事業は、災害から自分や家族の命を守り、地域の防災力の向上及び防災活動の持続性を高めていくことを目的として、住民満足度の高い「防災出前講座」を実施したものです。
防災出前講座は、新潟市東区内の自主防災組織等の構成員が対象であり、開催地域の要望に応じて「地震編」「水害編」「避難所運営編」の3つのメニューを用意し、当機構職員が講師を務め、合計12回開催しました。また、新たに津波避難ビルに指定された「一正蒲鉾株式会社」において、出前講座を開催しました。さらに、令和3年度に制作した「水害編」に続き、「地震編」及び「避難所運営編」の講義動画を制作しました。
避難所運営ワークショップ事業
【新潟市東区委託事業】
本事業は、災害時の円滑な避難所運営の確立を目的として、指定避難所の運営に携わる地域住民等を対象に、運営シミュレーション(屋内による模擬訓練)を実施したものです。
令和3年度と同様、令和2年度に制作した運営班別のお題カードを用いて、木戸、牡丹山、大形、中野山の4つのコミュニティ協議会を対象に、12月3日・4日に模擬訓練を行い、12月14日に訓練の講評と振り返りのワークショップを実施しました。
避難所運営委員会立ち上げに向けた講習会等企画運営業務
【新潟市江南区委託事業】
本業務は、地域住民を主体に組織する避難所運営委員会の役割や重要性についての理解を深めるため、講習会を企画・開催したものです(10月4日、28日)。
江南区内の2つの指定避難所を対象として、避難所運営委員会の役割や重要性に関する講義を行った後、防災ゲーム「クロスロード」を活用して避難所運営委員会立ち上げに関するワークショップを実施しました。
「高めよう互近助力」地域でつくる避難生活運営体制事業
【新潟市北区委託事業】
本事業は、住民主体の避難所運営体制(避難所運営委員会)を構築するため、ワークショップ及び訓練を企画・運営したものです。
令和4年度は、新潟市北区濁川地区コミュニティ協議会と岡方地区コミュニティ委員会を対象に、それぞれ3回程度のワークショップを実施し、課題の共有と解決に向けた検討を重ねるとともに、それを検証するための避難所運営訓練を行いました。
避難所運営(防災リーダー)研修会支援業務
【妙高市委託事業】
本業務は、妙高市が開催する避難所運営研修会において、避難所運営ゲーム(HUG)を活用した研修の企画・準備・運営を行ったものです。研修会は9月11日、2会場で合計2回実施しました。
HUGを行い、気づいた課題を共有するとともに、各避難所に設置されている避難所運営マニュアルと避難所レイアウトを確認しました。
防災士等フォローアップ業務
【田上町委託事業】
本業務は、田上町で実施予定の避難所開設・運営訓練を踏まえて、防災士や各地区の役員を対象に、災害時に開設される避難所ではどのような課題が発生するのかを知り、地域主体の避難所運営の必要性を理解していただくとともに、防災士の役割を考えてもらうきっかけとするために研修会を実施したものです。
また、次年度以降の避難所開設の仕組みや訓練につなげるため、避難所開設訓練後の振り返りを行い、スムーズな避難所開設にはどのような仕組みやルールが必要か、どのような訓練を行うと良いか検討を行いました。
中越地域の地域防災機能および防災教育にかかるニーズ調査
【東京電力ホールディングス委託】
本調査は、東京電力ホールディングス株式会社が中越地域(柏崎市内)に新拠点(東京電力柏崎レジリエンスセンター)を整備・構築するにあたり、地域防災機能への強化や教育など価値創造に資するためのニーズ把握を目的に実施したものです。被災者の声及び支援者の声による防災機能ニーズを整理するとともに、全国の防災拠点における民営多機能型拠点の事例調査を行い、平時・非常時を想定した防災機能及び防災教育メニューの提案を行いました。
東京電力の「まちづくり」における防災を軸とした価値創造に向けた分析・調査
【東京電力ホールディングス委託】
本調査は、東京電力柏崎レジリエンスセンターが地域防災への貢献を指向するため、プロダクトアウトの視点からだけではなく、地域との共生に向けて、地域の強みや弱みを把握することを通じ、提供すべき新たな価値について分析・調査したものです。
SWOT分析を用いて多面的な視点から課題を摘出するとともに、東京電力柏崎レジリエンスセンターで災害発生時に車中泊避難の受け入れを行うことを想定した実践的検討を行いました(車中泊避難に関する研修会、車中泊避難体験キャンプ等)。また、新潟工科大学都市防災コースの学生を対象とした設計・デザイン協働検討ワークショップの企画・運営をサポートしました。
防災士養成講座
【当センター自主事業】
当機構の自主事業として、令和3年度に続き、新潟市、柏崎市、村上市の3会場において、「防災士養成講座」を開催し、合計で157名から受講いただきました。各会場とも新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を施した上で運営しました。受講生の中には開講直前に感染症に罹患し、日程の異なる別会場に転向するなどの状況が発生したため、事務局が受講生と連絡をとりながら講座運営を行いました。担当する講師陣は、新潟県内に在住する学識者、防災関係者を中心に依頼しました。防災士資格取得試験については、再試験の実施を含め、最終的に3会場合計で151名が防災士試験に合格しました。